当院には日本脊椎脊髄病学会認定指導医が在籍しており、その医師を中心に脊椎疾患の診療を行っております。当院で扱っている主な脊椎疾患は以下の通りです。
(日本脊椎脊髄病学会ホームページより転載)
保存治療(投薬やリハビリなど)を原則としておりますが、手術が必要な場合は、手術用顕微鏡、術中透視装置、脊髄モニタリング装置などを活用して、低侵襲で安全な手術を心掛けています。
また、当院では有資格者のみが施行可能な手術(経皮的椎体形成術や椎間板内酵素注入術)にも対応しております。
脊椎疾患でお困りの方は、是非当院へご来院頂き、お気軽にご相談ください。
経皮的椎体形成術(Balloon kyphoplasty; BKP)
脊椎椎体骨折は、保存治療(コルセット、内服加療)により疼痛が軽減し、骨癒合が得られます。重度の骨粗鬆症を有する症例や初期治療が適切になされなかった場合には、骨折椎体に不安定性が残存(図1)し、骨癒合が得られず、疼痛が残存して、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
このような症例に対して、低侵襲で骨折部を安定化させる手術が経皮的椎体形成術です。全身麻酔下に約5mmの小皮切を加え、骨折した椎体内にバルーンを挿入・拡張した後に骨内にセメントを充填します。手術時間は30分程度です。当院では、バルーン拡張後に金属ステントを留置してからセメントを入れる手技を採用しています(図2)。術翌日より離床が可能です。術後はコルセットを1ヶ月間使用します。また、骨粗鬆症治療を併用し、新規椎体骨折の予防に努めます。
症例提示:84歳 女性 第1腰椎椎体骨折
図1:術前画像 X-Pでは、座位(A)と臥位(B)で椎体の形が異なっており、椎体不安定性が示唆される. CT(C-E)では、椎体内にガス像(cleft)が見られる.
図2:術後画像.骨折椎体に金属ステントとセメントが留置されている.
椎間板内酵素注入術(ヘルニコア)
科研製薬情報サイトより転載